オーストラリアで生活している日本人の皆さん、特にワーキングホリデー（ワーホリ）で滞在している方々は、車を使用することが多いですよね。都市部や郊外を車で移動する生活は便利ですが、近年、オーストラリアでは車両盗難が深刻な問題になっています。オーストラリア各州での車両盗難件数や対策を知り、さらに車両保険の重要性についても詳しく説明していきます。

オーストラリアでは、約11分に1台のペースで車両が盗まれており、特に中古車市場の活況も影響して盗難が増加しています。以下は、2021/2022年から2022/2023年にかけての州ごとの車両盗難件数です。

特にクイーンズランド州やビクトリア州での盗難が顕著で、車両盗難は依然として大きな問題です。クイーンズランド州の都市部、特にブリスベンやゴールドコーストでは、若年層による盗難が急増しており、注意が必要です。また、ビクトリア州でも都市部での盗難が多発しており、これらの地域に住んでいる、もしくは訪問する際は特に注意を払いましょう。

オーストラリアで特に盗難されやすい車両は以下の通りです。これらの車種は、特にセキュリティ機能が少ない古いモデルがターゲットになりやすいです。

ホールデン コモドア VE (MY06-13)

フォード レンジャー

トヨタ ハイラックス

ヒュンダイ i30

日産 ナバラ

ワーホリで中古車を購入する際やレンタカーを借りる際には、これらの車種が特に盗難のリスクが高いことを覚えておきましょう。

ニューサウスウェールズ州では、地域コミュニティと警察が連携し、車両盗難の予防に取り組んでいます。特に地域密着型の防犯活動が多く、コミュニティによる監視システムや防犯カメラの利用が奨励されています。また、車両のセキュリティシステムを強化するよう市民に啓発するキャンペーンも行われています。

ビクトリア州では、Operation TrinityとOperation Allianceという捜査プログラムが進行中です。これらのプログラムは、特に再犯者や若年層の犯罪集団を取り締まることに重点を置いています。また、盗難防止のためにGPSトラッキング装置や車両のセキュリティ強化が推奨されています。公共施設における監視カメラの設置も積極的に行われています。

クイーンズランド州では、特に若年層による車両盗難が増加しているため、警察はOperation Own Itという特別作戦を展開しています。この作戦では、若者による盗難車両の発見と逮捕を目指し、地域ごとのパトロールが強化されています。さらに、車の窓やドアを必ずロックすることを推奨し、鍵の管理が重要視されています。

西オーストラリア州では、車両盗難の多発する地域に対して特定エリアのパトロールが強化されています。また、公共駐車場やショッピングモールでの監視カメラの設置が進んでおり、犯罪抑止効果が期待されています。

オーストラリアで車を所有している、もしくはレンタルしている場合、以下の防犯対策を講じることが非常に重要です。

必ず鍵をかける

多くの盗難事件は車がロックされていない状態で発生しています。特に自宅やショッピングモールで駐車する際には、必ずロックを確認しましょう。

GPSトラッキングシステムを導入する

万が一の盗難に備えて、GPSトラッキング装置を車両に設置することが推奨されます。盗難後、迅速に車両を特定できる可能性が高まります。

監視カメラ付きの駐車場を利用する: 監視カメラが設置されている駐車場を利用することで、車両盗難のリスクを軽減できます。

車両盗難は深刻な問題ですが、保険に加入していれば万が一の時に経済的な損失を軽減できます。ワーホリや長期滞在者の方々にとって、車両保険への加入は特に重要です。以下の点に注意して保険を選びましょう。

盗難補償の範囲を確認する

車両盗難がカバーされているかを確認しましょう。特にレンタカーの場合、盗難補償が含まれていない場合があるので注意が必要です。

免責額の確認

保険の免責額が高すぎると、実際の補償が少なくなる可能性があります。免責額のバランスを確認し、最適なプランを選びましょう。

事前の備えで、万が一のリスクを最小限に抑えて、オーストラリアでの滞在をより安心して楽しんでください。